
どうも!スマ☆ハピです!
「小説って、なんだか難しそう」
「最後まで読める自信がない」
そんなふうに思っている方、多いのではないですか。
「小説って苦手」そう思っている方へ。
まずは一ページだけめくってみてください。
成瀬あかりのゆるくて強い日常が、あなたの好奇心をそっと刺激します。
もしそんなあなたの固定観念を、たった1冊でくるりとひっくり返してしまう本があるとしたら…?
読まずにはいられなくなる、そんな魔法のような一冊です。
それが、今回ご紹介する『成瀬は天下を取りにいく』(著:宮島未奈/新潮社/2023年刊)です。
この本は、派手なバトルも壮大なSFもありません。
けれど、登場人物の一言一言がなぜか心にスッと染み込んで、ページをめくる手が止まらなくなる。
読書が苦手だった人が「小説って面白いかも」と思える、まさに入り口にぴったりの一冊ですよ。
本の概要

舞台は滋賀・大津。成瀬あかりという中学生が中心で、日常のちょっとした事件や挑戦が連作のようにつながります。
といっても、彼女にはちょっと“異彩を放つ”ところがあります。
夢に向かって一直線で、自分の考えを曲げず、周囲の空気を読まないタイプ。
時にはぶつかることもありますが、そのまっすぐさが周囲の人々を少しずつ変えていきます。
ユニークな行動や会話が次々と起こり、笑いとじんわりした共感が同居する作品です。
一見すると地味に感じるかもしれません。
けれど読んでみると、日常の一コマ一コマが驚くほどドラマチック。
クスッと笑える場面や、ハッと胸が熱くなる瞬間が詰まっています。
連作短編集的な構成と読みやすい文体が特長です。
あらすじ

中学二年の夏、成瀬は閉店まぎわのデパートに毎日通うと宣言します。
M-1に挑戦したり、突拍子もない目標を掲げたり。
周囲は振り回されながらも、気づけば励まされている。
奇想天外な行動が重なって、彼女の「生き方」が浮かび上がります。
小説に興味がない人ほどハマる理由

小説に苦手意識がある人の多くは、「難しそう」「話が長くて飽きそう」「登場人物が覚えられない」と感じているはずです。
でも、この本は全然違います。
まず、文章がとても読みやすい。
会話文が自然でテンポがよく、難しい言い回しもありません。
まるで友だちと話しているような感覚で、気がつけばスルスルと読み進められます。
難しい設定はなく、すぐに人物に親しめます。
さらに、短いエピソードの積み重ねが飽きさせません。
こま切れに読むこともできるため、普段読書をしない方にも入りやすい作品です。
特別な知識も予備知識もいらず、ふだん小説を読まない人でも、すっと物語の世界に入り込めるのが最大の魅力です。
印象に残った3つのポイント

ポイント①:成瀬の「ぶれないおかしさ」
成瀬は周囲の目を気にせず、思いついたら即行動します。
その爽快さが読んでいて快いです。
周りを巻き込む力が、物語の原動力になっています。
ポイント②:地元描写の魅力とリアリティ
大津の街や閉店するデパートなど、身近で丁寧な風景描写が心地いいです。
場所が活きていて、読み終えたあとにその町を散歩したくなります。
ポイント③:笑いと余韻のバランス
爆発的な事件はないのに、クスッと笑って、読み終わるとじんわりします。
日常の些細な瞬間が積み重なり、大きな温かさに変わる構成です。
注意点とデメリット

テンポは全体的にゆっくりなので、派手な展開を期待する人には少し物足りないかもしれませんね。
また、内面描写が中心なので、アクションやスピード感のある物語が好きな人には向いていない可能性もあります。
ただし、それこそがこの作品の味わいでもあります。
こんな人におすすめ

・今まで小説に苦手意識があった人
・「小説って何から読めばいいの?」と迷っている人
・心がちょっと疲れている人
・日常の中にある小さな奇跡を感じたい人
逆に、ビジネス書や専門書のような“実用性”を求めている人や、ハラハラする展開を重視する人には少し合わないかもしれません。
まとめ

『成瀬は天下を取りにいく』は、小説初心者の背中をそっと押してくれるような作品です。
難解な設定や大げさな演出は一切なく、ただ一人の少女の成長と周囲の人との関わりを、やさしく、ユーモラスに描いています。
「小説はちょっと苦手…」と思っている方こそ、この本をきっかけに“物語を読む楽しさ”を知るはずです。
読後には、胸の奥がじんわりと温かくなり、「次はどんな本を読もうかな」と自然に思えるかもしれません。

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